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昨日よりもぐっすり眠れたが、やはり早めに目が覚めてしまった。
家内も起きたので、誘ったが、もっと寝ていたいと言って、起きてこなかった。昨日は、あれほど見たがっていたのにと思いながら、ひとり出かけた。
天気は良いようだ。風も納まっている。
途中、幌別川を覗いてみたが、サケ・マスの遡上は見られるが、ヒグマの姿はない。
知床ネイチャーセンターのところで左に折れると、道端に今まで見たこともない立派な角を持った雄ジカが草を食んでいた。撮影しようかとも思ったが、先を急いだ。
岩尾別に着くと、昨日いろいろ会話をした愛知から来たというカメラマン氏が既に構えていた。
実は、このカメラマン氏、昨日は派手な絵が描かれたキャンピングカーから上下真っ赤なジャージにサンダル履きで降りてきたので、通りがかりのオア兄さんかと思ってしまった。(-_-;)
早速、並ばせてもらった。まだ、姿がないとのこと。
昨日よりは、少し距離が近く、光線も良さそうだ。
(昨日撮った後に少し歩き回って、今日はここにすると決めていた。)
北国の朝はさすがに寒い。防寒コートをしっかり着込んだ。
暫く話をしながら待っていると、いつの間にか対岸の水辺近くにヒグマが降りてきていた。
まだ薄暗いが、昨日よりは条件が良い。
暫く水の中で、サケを捕まえては選んでいた(大半が弱っているものに見えた)が、気に入ったのを咥えて岸辺に上がってきた。
座り込んで食い始めた。
おこぼれ狙いのカラスが周りを取り囲んでいる。
先ず、腹にひと噛み入れるとイクラが飛び散った。
それを次々に舐めとっていた。
その後、ようやく肉を食い始めたが、大分残して、また水の中に入って、サケを追いまわし始めた。
贅沢な食い方に見えた。
ワッとカラスがおこぼれに群がった。
カメラマン氏によると、この個体は捕りかたの下手糞な♀とのことだった。
確かに、昨日の親グマに比べて動きもとろい感じだった。
比較的元気なサケを捕まえて、今度は手前の岸に上がってきて、手前の崖下に向かって歩いてきた。
サケの体をガブッと咥えるのではなく、ヒレの部分をちょっとだけ咥えている感じに見えた。
だから、何度もサケを落としながら。
イクラがこぼれないようにしているのだろうか???
昨日のヒグマもそうであったが、立ち去る時に1尾咥えて森に消えて行く。
後で、ゆっくり食べるのだろう。
このヒグマが立ち去るのを待っていたかのように、次が現れた。
今度は、海の中でサケを追いまわしている。
前のヒグマより活発に動いている。
捕れなくて、段々川に上がってきた。
捕まえても、何か選んでいるようで、すぐに捨ててしまったり、時々噛むものの食べている感じはない。
そうこうするうちに、元気なサケを捕まえて、対岸に上がっていった。
暴れるサケに手を焼いたのか、最後には放りっぱなしで立ち去ってしまった。
結局、大して食わずに行ってしまったのだ。
腹は空いている筈なのにどうしたのだろうか?
ほかへ行ってまたサケを捕るのだろうか?
それとも、またすぐに現れるのだろうか?などとカメラマン氏と話しながら待っていたが、時間がなくなって、引き上げることにした。
こうして、昨日・今日のヒグマウオッチングは大満足のうちに終わりとなった。